私が、(引き続き)ドル高円安が進むと考える理由

 9月6日(1ドルが109円台の時)に「私が、ドル高円安が進むと考える理由」を投稿させて頂きました。

 皆さまからコメント頂いたり、シェア頂いたりして、大変有難かったです。改めて、ありがとうございました! 今、1ドルが112円を超えている状況で、さらにドル高円安が進むと投稿するのは、結構どきどきしますが、私は、やはり、引き続き、上がったり下がったりはあるとしても、年末に向けてドル高円安が進むと考えますので、その理由を御説明します。皆様のご検討のご参考になれば嬉しいです。 1.9月6日時点で「ドル高円安が進む」と考えた理由とその結果 9月6日時点で、 ①米国と欧州の金利が上がるが、日本の金利は上がらない ②貿易収支が大きな黒字になるとは想定し難い ③ユーロが堅調 ④日本の政局は大きな円買い要因とならない という理由からドル高円安を想定していました。 ①米国と欧州の金利が上がるが、日本の金利は上がらない これは当たりました。日本の金利も(10年債の金利が0.04%から 0.08%に)上がってはいるのですが、米国の10年債は1.3% から1.6%に上昇していますので、金利差は着実に拡大しています。 今後も、米欧は「近い内にテーパリング」という金利が上げる強烈な要因がありますが、日本にはそれがないので、金利差拡大の可能性が高いと思います。物価(消費者物価)と雇用(失業率)の推移を米欧日で比べると、米欧は確実に回復していますが、日本の物価だけは相変わらずプラスになっていませんね…。 (日経ヴェリタスの数値を使いました) 消費者物価指数(前年比、%) ・米国:1.4(1/15)→1.7(3/14) →4.2(5/16) →5.4 (7/18) →5.4 (9/4) →5.3 (10/10) ・欧州:-0.3(1/15)→0.9(3/14) →1.6(5/16) →1.9 (7/18) →3.0 (9/4) →3.4 (10/10) ・日本:-0.9(1/15)→-0.6(3/14) →-0.1(5/16) →0.1 (7/18) →-0.2 (9/4) →0 (10/10) 失業率(%) ・米国:6.7(1/15)→6.2(3/14) →6.1(5/16) →5.9 (7/18) →5.2 (9/4) →4.8 (10/10) ・欧州:8.3(1/15)→8.1(3/14) →8.1(5/16) →7.9 (7/18) →7.6 (9/4) →7.5 (10/10) ・日本:2.9(1/15)→2.9(3/14) →2.6(5/16) →3.0 (7/18) →2.8 (9/4) →2.8 (10/10) ②貿易収支が大きな黒字になるとは想定し難い これも当たりました。ただし、正直に言うと、ここまで原油高が進むとは予想を超えていました。 原油高が進んでも、簡単には輸入量を減らせませんので、高い原油を買うために、円を沢山売ることになります。原油高が暫く続くと思いますので、引き続き円安が進むと考えます。 ③ユーロが堅調 これは外れました。ユーロ円は然程変わっていない(概ね1ユーロが130円前後)ですが、ユーロドルは1ユーロ1.18ドルから1ユーロ1.15ドルまで低下しています。 ドルに何かあった場合に、ユーロが買われない状況だと円が買われる(円高が進む)ことがありますので、これは懸念材料だと思っています。ドイツの政局が早く落ち着くことを願いたいです。 ④日本の政局は大きな円買い要因とならない これは、日本株をされている皆様のご意見をお伺いしたいところです。日経平均が一旦は上がったものの、その後下がった、ということは、結局は円買い要因にならなかったのかな、とも思います。個人的には、高市さんだったら少し違ったのかな、とも思いますが、どうだったんでしょう・・。 2.年末に向けた予想 金利差の拡大と原油高による実需の円売りを素直に反映してドル高円安が引き続き進むと思います。 円安が進んだ後ですので、調整はあると思いますし、リスクオフということで円高に振れる局面はありえると思います。しかしながら、経済回復の規模とスピードが違い過ぎると思いますね。大変残念ですけれど・・。 後は、新興国の経済が気になります。米国金利が上がり、新興国に流れていたお金が米国に戻る展開は、かつての危機を連想させますので、それがテーマになると安全通貨の円が買われる展開がありえます。しかし、そこに市場の関心が向かうのはもう少し先で、テーパリングが本当に実施される前後じゃないかな、と思います。どうなるでしょう・・。

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